2023年11月27日 (月)

大手探偵社代表が起こした事件(続報)

昨年の12月に「写真週刊誌・フライデー」の記事で世間を騒がせた東京の大手探偵社の代表による暴行・強制性交罪の事件を紹介しましたが(当ブログ過去記事:東京の探偵社代表の事件・2022年12月4日)、その事件の裁判の続報が本日、再び「フライデー」に掲載されました。

ネットの記事によればこの探偵社代表はいわゆる半グレ集団の人間で、元暴力団員だったということです。
東京の「大手探偵社」を標榜する『ラビ●ト探偵社(一部伏字)』という会社の代表だった人物で、昨年、女性に対する暴行、強制性交、強制わいせつの罪で逮捕されていました。

本日のフライデーの記事はこちら、

「ビッチ、死ね」と言いながら女性を失神するまで暴行…警察も言葉を失った”自称・実業家”の蛮行」
11/27(月) 8:00配信 フライデー(Yahoo!ニュース)

「事件が起こったのは昨年9月末。下田被告は知人のA子さんを半ば監禁状態にしたうえで4日間にわたって暴行。10月2日、駆けつけた目黒署員によって現行犯逮捕され、傷害と強制わいせつ、強制性交の罪で起訴されています。警察関係者が『ここまで酷い暴行事件はちょっと聞いたことがない』と声を詰まらせるほどの凶行でした」(全国紙社会部記者)

全国に支社を持つ大手探偵会社の代表を務めたこともあるという下田被告。

下田被告の知人がその実情を明かす。

「彼は日頃から自身のSNSでリッチな生活ぶりをアピールしていました。いわゆるキラキラ写真と呼ばれる類のものです。おかげでネット上には、彼のファンクラブのようなものまでできていた。

下田は自分のファンたちを『オーシャン』と呼び、グループラインまで作っていました。ただ、あいつがSNSにアップしていた高級外車は知り合いの社長に借りたもの。リッチな生活はあいつが作り出した虚像なんです」

「八王子の暴走族出身で一時期は暴力団にも所属していた」とも周囲に話していたという下田被告。逮捕当時の取材で、A子さんは本誌に「何度も死を覚悟した」と話していたが、公判で明かされた下田被告の犯行は彼の凶暴性がうかがえるものだった。(記事抜粋)


よく電話相談で、相談者の方に「大手探偵社に依頼しようと思ってたんですが…」など、「大手」という言葉が出てきます。
たぶん、どこの中小探偵社も「え?大手?」って聞き返しますことがほとんどだと思いますが、それはなぜかと言いますと、日本の探偵社で「大手」という業者はほとんど存在していないからです。
ほとんどの「大手と自称する探偵社」たちは、大手のふりをしているにすぎません。

全国に支店があるというのは嘘で、そのほとんどが月数万円のシェアオフィス(レンタルオフィス)の契約をして、お客さんと会う際の部屋を当日レンタルすることができるだけで、普段はそこに事務所があるわけではありません。
一部業者は地方に数店の事務所を置いていますが、そういう業者はほんの少しです。

うちも例えば、東京、名古屋、大阪のシェアオフィスを数万円で契約しておけば、支店と称して、明日からでも大手探偵事務所と称することが可能です。これが「大手探偵事務所」なのです。
登録だけで3~5万円、机を置くだけの一区画レンタルで5~8万円という感じですね。地方でなら普通に事務所借りられそうな金額ですが、レンタルオフィスはキレイですから。

昭和50年代に日本最大の探偵社としてテレビに出て有名だった某社も、平成になって会社を覗いてみたら、社員わずか5名。調査は全て下請けに出していて、調査は一切やっていないという営業専門の探偵社でした。これが多くの大手と称する探偵社の姿ですが、調査員がいないのに探偵社と言えるのでしょうかね?
この業者はボクが以前勤めていた会社の向かい側のビルにあり、こちらが数階上だったので、社内が全部見えていました。
そのため「これがあの大手探偵社の正体か…」と昔から内情を知っていたわけです。

そもそも「大手事業所」の概念とは、ネット検索によると正社員数100人を超える業者が税制上は大手という扱いになるようです。
それだけの社員がいる探偵社、ありますかねぇ…今の時代はないのではないでしょうか?北海道が本社の「さくら幸子グループ」がそれに近いと思いますが。
過去に日本で最も成功した大手探偵社というところがありまして、10年ほど前に事業をやめてしまって今は存在していませんが、「ファミリー総合調査事務所グループ(本社:埼玉県)」というのがありました。
このグループは社員数350人を超える本物の大手で、後にも先にもここほど大きくて、日本の探偵業界を支配した探偵社はありません。今後もありえないでしょう。
日本調査業協会を組織し、実質その本体の運営を行っていた業者です。多くの警察官僚や弁護士も押さえていました。
ボクはこの会社の出身なので、そのため全国の業者の内情を把握しています。

岩手県内の悪徳業者たちも、ボクの出自を知ってるので、表立ってはボクに噛みつく人間はいませんでしたが、影では悪口を言われていました(苦笑)。
県内他社さんがうちに対して言ってたというのを、依頼者さんから聞くわけです。
盛岡の他の業者に相談したら「いちご探偵事務所は料金が安いというのは嘘で本当は100万円以上請求される」とか言ってましたよ!と依頼者さんが教えてくださいます。もちろん、その方はうちと契約になります。うちは本当に一番安くて、調査も粘り強くやるし、裁判の知識も豊富ですので、相談したら違いがわかりますのでね。
今はなき「ガル〇ージェンシー盛岡」さんがよくそういうことを言ってたと聞いていますが、その業者は数年前につぶれてしまいました。
依頼が全くなくて、晩年は焦ってなりふりかまわない状況だったと聞いています。病気の噂もありましたが今はどうしておられるんでしょうね。散々嘘を言われましたので、こちらは心配まではしていませんが、探偵の晩年ということを考えると気の毒には思います。
岩手ではうちというライバルを敵に回しては安定した営業を続けていくことは難しいと思いますね。能力差がありますので。

東京の業者らは、実際には大手と言えるほどの人数がいないんだから、大手というふりをするのはやめるべきだと思います。
別に能力があるなら中小でもなんでもいいじゃないですか。
でも、それは「大手なら安心」という実態とは真逆の価値観を持つお客さんがいるために「営業戦略」としてやっているということなんです。
大手は80万や100万円を超える金額を要求し、調査は安い下請けに出しているだけという会社であることに気づかずだまされる人がいる限りは、彼らにはおいしいビジネスなんでしょう。高い方が安心という方もいるんですよね。

こういう業者にだまされないように消費者は常に勉強していかなければならないなと思います。
東京は暴力団が実質運営する探偵社や相談NPOが存在しているわけですから。今のところ、東北地方には暴力団が運営する探偵社はないと思います。

2023年10月18日 (水)

ニュース映像のこと

先日10月16日、とあるテレビニュースに、ボクが撮影した映像が1分くらい使われていました。
その映像は2013年に撮影したものだったんですが、自分でも久しぶりに見ましたね。
テレビニュースは局のライブラリー(アーカイブ)があり、ずっと保存されているのでこういうこともあります。

Yahoo!ニュースのサムネイル画像で、なんか見覚えのある画像が出てるな…と思ってクリックしてみたら、やはり…という感じで。
自分が撮影した映像って、何十年経っても覚えています。

探偵として撮影した映像も、依頼者さんをちょっと忘れてしまっていても、画像をワンカット見たら急にその案件の全てを思い出せます。何年前でも。
依頼者さんのことは基本的には何年経っても全員覚えていると言いたいところなんですが、関わりが少な目で5年以上経っている方だとお名前と顔と案件が一致しないことがあります。調査、弁護士依頼、示談交渉や調停などと進捗具合をずっと連絡・報告をいただいた方は忘れないんですが。

でも、昨年、たった2か月前の依頼者さんがわからなくなったことがあって、恥ずかしい思いをしたこともあるんですよ。
たまたま、お住まいの市と名字が一緒な方が数人いたもので、連絡をいただいたときにどの方のことかわからなくなったためでした。
だから、その方を忘れたわけではなく、どの方か混同したという感じで。

たま~に、数か月前に終わっている依頼者さんから「ご無沙汰してます。覚えてますか?」とメールやLINEが来ることがありますが、数ヶ月で忘れるはずがありません!(笑)。
たまに10年以上前の依頼者さんから連絡が来ることもあるんですが、大丈夫です!

でも、今回のニュースに使われていたボクの映像はクリアで色見も良かったんですが、今見ると若干ルーズで、自分でもちょっと反省ですね。
ルーズというのは映像用語で「少し広めに撮影されているので、もう少し寄った方がいい」という意味合いで使われます。
自分、ずっとファインダーで撮影してきた世代なので、今のカメラの液晶で見て撮影するという感覚が微妙でちょっとしたミスを生んでいたというわけです。業務用ビデオカメラの液晶モニターの見切れのマージンがどこまでか、ちょっと迷いがあった感じで。
でも、ちょうど良いサイズもあったはずなんですが、ニュース編集さんがそれを選んだということで、もうこちらには何も言う権利はありません。
やはりファインダーを見て撮影する方が自分には合ってますね。

浮気調査だとファインダーと液晶では液晶の方が多くはなってますが、ここぞという時はやはり今もファインダーで見て撮影ですね。
液晶だとピントが合っているか正確にはわからないんです。
ファインダーでしっかり見ないといけません。
でも、今のカメラは液晶だけ付いていてファインダーがないものも多いです。ビデオカメラもマイクロフォーサーズのデジタルカメラも。
それでは絶対に良い仕事はできません。
ということで、うちでは業務用ビデオカメラを多用しているということですね。
他社さんでは業務用ビデオカメラなんて難しくて扱えないでしょうから、これもうちの特色と言えますね。

いちご探偵事務所は、素人の撮影ではないのです。

2023年10月 7日 (土)

盗聴調査のフランチャイズビジネス

今日は盗聴調査のフランチャイズビジネスの闇についてお話しましょうか。

数年前から、関東の盗聴調査業者がフランチャイズビジネスを展開していたんですが、ここ岩手県でもそれに乗っかって副業で盗聴調査を始めた業者がいくつかあります。
本業は警備会社や不動産業者という方々です。

この副業フランチャイズビジネスは、盗聴調査業者が盗聴器発見のための機材をいくつかまとめて、その機材をマニュアルを見ながら調査をすれば盗聴器を発見できるという機材セットを販売することが目的です。
そのセットを見たら、原価18万円くらいですが、おそらく25万とか30万円で販売しているようです。まぁ、そんなに高く売りつけているわけではなさそうです。
でも、キットを購入させられるという問題以上に大きな問題がそこにはあるんです…。

その機材で、マニュアルを見ながらの素人調査でも、世の中に出回っている盗聴・盗撮器の7割ほどは発見できると思います。
盗聴器の周波数はほとんど決まっていて、その周波数がプリセットされていれば、電源を入れてボタンを押せばスキャンが始まって、盗聴波をつかんでくれますので。
実際には盗聴波A・B・Cという3波を検索することで盗聴器の7割は発見が可能です。わずか5秒で調査は終了です。5秒に3万とか5万とか払わされているんですよね。
盗聴調査フランチャイズやほとんどの盗聴調査業者はその3波を調べているだけのずさんな調査でしかありません。

でも、問題はその機材だけではあくまで7割の調査しかできないことです。

残りの3割の盗聴器は発見することはできません。
盗聴器は電波式だけではないんですから。

一般の方々が、警備会社がやってるからと専門業者に依頼したつもりでも、実際の調査は7割までしかできておらず、あとの3割の盗聴器が付いていたら盗聴はそのまま放置となるのです。

例えば、白アリ駆除の依頼をして、その業者が3割の白アリを残して帰ったらどうなるでしょうか。
数週間後にはまた白アリは全て元に戻っていますよね。
7割しかできていないというのはほとんど意味がないんですよ。
盗聴調査は害虫駆除と同じで、極限まで取り除かないといけない仕事なんです。

機材セットを購入すれば、すぐに専門調査ができるなんてことはありえません。

盗聴調査は勉強すれば、ある程度は誰でもできるようになります。まぁ、何の仕事でもそうですが。
でも、盗聴調査というのは探偵の仕事の中でも少し特殊な業務で、浮気調査以上にセンスが必要な調査なんです。

センスってなんでしょう?

そもそも、盗聴という行為は「ほの暗い悪意による犯罪行為」です。
浮気は刑事事件ではなく、民事事件であり、倫理の問題ですね。
ところが、盗聴は犯罪です。刑事事件です。窃盗や暴力と同じ犯罪です(ただし、盗聴そのものは犯罪ではありません。住居侵入やストーカーが犯罪となります)。

一見、他人の会話を聞く「セコい、気持ち悪い行為」とだけ感じてしまう方もいるでしょうけど、盗聴はストーカーと同じ質の行為であり、別の犯罪につながることもある悪意のかたまりなんです。
小さな機械(盗聴器)を用いて、他人の敷地や家庭の中、職場などに目的外の侵入を行うことで実行する悪意そのものを調査するというのは、単に機材を購入して調べればいいというものではなく、そういった悪意をセンスにより察知し、通常の調査で対応できるものか、どこまで深く探索するのかを瞬時に判断しなければなりません。

盗聴は盗聴器の電波を調べたらそれで済む話ではなく、電波式以外のものや、「人間の悪意がどこから侵入してくるのか」という、機材ではわからない大事な部分を見極めることが最も難しいことであり、必要なことなんです。

調査は、犯罪者の裏をかいて、どのような装置が付けられているのかを推理しながら、電波による調査を行います。
電波の調査が終われば、次は目視による作業です。

テレビによく出てる東京の専門業者さんなどもそうですが、有能な専門家は機材に詳しいということ以上に、悪意に対するセンスがあるんです。
言うなれば電波の調査以上に、状況判断から盗聴の有無を感じることができます。
悪意を持つ人間を知っているからこそ、センスによって感じ取ることができます。

7割の調査ができるからと開業していいビジネスではないと思いますね。それは専門業者ではありません。
よほど無線の免許を持っている中学生の方がセンスが良い調査が可能でしょうね。

このような専門知識がない素人業者を増やし、機材を売りつけるビジネスをしている盗聴調査業者が一番問題ですが。
怪しいビジネスというのは、一番最初に始めた人間だけが儲けて、それ以外は大して稼げないというものですよね。

センスや知識がある方は、別にそんなセットを購入する必要はなく、ネットでいろいろ売ってるんですから、勉強して自分でベストな機材を購入して始めればいいだけです。
キットを売りつけられて、そのマニュアルを見ながらという人は専門業者にはなれません(その後めちゃめちゃ勉強して10年後には専門家になるという頑張り屋さんならプロになれますが)。

まぁ、でも、それらの素人業者よりも、困っている人に付け込んで、1回20万円などの高額費用を請求する悪徳探偵社の方が大問題ですけどね。
大手警備会社でも最近、盗聴調査を請け負うようになりましたが、1回の費用が20万円を超える請求となるのも珍しくありません。
当事務所の10倍の金額です。人の弱みに付け込んで、高額費用をボッタくるというのは立派な悪徳業者だと思いますね。

ボクは以前テレビディレクターという仕事をしていましたが、テレビ番組制作の技術スタッフの発注料金って、カメラさんと音声さんと照明さんの3人とそれぞれの機材(カメラ、マイク、ミキサー、照明など)を合わせて、1日13万~18万円でした。
テレビの技術スタッフは、プロが3人で1日20万円いかない金額ですよ。
盗聴調査で1人で2時間以内に終わる調査がなぜ20万円を超えるんでしょう??
多くの探偵社の浮気調査もそうですよ、1日20万円以上です。バカ言うんじゃないよ、と思いますね。とんでもないボッタクリだと思います。

先日、清掃業者さんにエアコンの内部清掃をお願いしたところ、2台で13,000円でした。2時間以上かかってるのにですよ。
安くて本当ありがとうございます、って思いました。

どう見ても、盗聴調査は5万円以下が適正料金ですね!(=_=)

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